卒業式の朝、ヒロロにスーツを着せた。Yシャツのボタンの掛け違いを直し、ネクタイをかけてあげながら、社会人デビューの日にはきっと1人でできるんだろうなぁ!と思い、朝からしみじみしていた。ヒロロの方は、登校までの時間に椅子にたったり座ったり。「ハイ!」と言って歩いたり、1人でイメージトレーニングをしていた。
いよいよ時間になり玄関まで見送ると「来るの?」と聞かれ「行かないよ!」と答えた。ヒロロは「うん」と言い「じゃぁ、後で行くからね。いってらっしゃ~い!」と私は手を振った。「何?来ないって言ったじゃん。わけわかんない。」と言うヒロロに「さっきは見送りに来るの?と聞かれたと思ったから行かない!って言ったんだよ。卒業式に行かないわけないじゃん。帰りに写真撮って一緒に帰ってこようね!なんて話もしてたんだから」と言うと「何? キモイ!」と怒り出した。それを聞いた私はカチン!と来て「もう!じゃぁいいから」とさっさと玄関を閉めてしまった。
せっかくの門出の日に気持ちよく送り出してあげることができなくて「ダメな私…。」と反省していると、待ち合わせしていた友達と一緒に戻ってきたヒロロが「さっきはゴメン!後で来てね!」と言ってくれた。私と喧嘩したままじゃスッキリしないから!といつも折れてくれたり、トコトン話し合おうと言ってくれるヒロロ。今日もそんな気がしてた。仲直りできてよかった。ヒロロありがとう。
そんな事を考えながら急いでコノノを保育園に送りに行った。途中、他校の六年生がスーツを着て登校する姿を見かけると同志を見かけた気分でウルウルしてしまった。さぁいよいよヒロロの卒業式の時間だ。保育園から戻り、急いで身支度を整えてシャンとしながら学校へ向った。
始まった卒業式では生徒が並んで入場してくるシーンから涙が浮かんでしまった。1人ずつ会釈をして拍手の中の入場。知っている子が多く、着飾った姿に「皆大きくなったね!」という気持ちでいっぱいになった。
直ぐに卒業証書授与が行われた。ここでヒロロはイメージトレーニングどおり、凛とした声と態度で証書を受け取っていた。「立派になったね。卒業おめでとう!」そう思いながらこの時はカメラを撮っていたので泣かずにすんだ。祝辞が続き、最後の見せ場は卒業生の門出の言葉。
私が小学生の頃にもやったように在校生とのかけあいで呼びかけの言葉や歌をうたう。懐かしい印象と、今時は卒業生がひな壇となって親に顔が見えるようにやるんだぁーという驚きとともに始まった。
去年在校生として参加したヒロロはまったく同じ場面を目にしているので「やらせだよ」なんて言っていた。用意された言葉であるにも関わらず泣いてしまった私は、合間に入る校歌や歌にはワナワナなってしまうほど泣いている。
でも周りの親は様子が違いビデオを撮っている人が多いからか、泣いている人があまりいないような気がする。それなのにこんなに泣いてしまうのが恥ずかしくて、おさえようとしてもおさえきれない。最後の「旅立ちの日に」なんて歌は、CMでサビの部分しか聞いたことなかったけど、こんなにいい歌だったんだぁ~。在校生とはもって歌ったりしたら、嗚咽しそうだよ~!と、どっぷり感激に浸り、化粧がすっかり落ち目を真っ赤にしながら卒業式が終わった。
式の後、余韻を楽しみ友達と写真を撮るのも早々に、さっさと帰りだしてしまうヒロロ。当の本人は緊張しぃなので、無事に終わったことにホッとし「春休みを楽しむぞ~!」と言っている。ほとんど同じ中学に進むヒロロにとってお別れ!というイメージがないのか、泣いているのは受験組の子と先生ばかり。
私は自分の小学生の卒業式まで心が戻り、そこから大きくなって結婚し出産してヒロロが卒業の日を迎える今日の日までが走馬灯のように駆け巡って、子育ての12年間を振り返る卒業式だった。
ヒロロ卒業おめでとう! ヒロロから沢山の事を学びました。今までありがとう&これからもこんなママだけどよろしく♪
♪今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い 力信じて この広い 大空に ♪